戦前の絵葉書より、奥に渡月橋を望む白糸の瀧。水飛沫の様子を雪花が散るようで、轟く音は雷が落ちるようでもあり。まるで白布を織っているように見えたことから「白糸の瀧」と名付けられました。また、廣織の瀧、闘龍灘という別名もあったそうです。
戦前の絵葉書より、泉鏡花の遺稿の舞台ともなった奥の院。中央の階段上には、「阿吽の滝」が流れています。かつて弘法大師が天魔地妖を封じ込めた「駆篭の
窟(かりごめのいわや)」と呼ばれる岩の洞も眺めることができます。
大正時代の案内図より、今号掲載の芥川龍之介が修善寺を訪れた当時の駅舎。車両を牽引する蒸気機関車からの煤汚れを洗い流せるようにとホームに設置された洗面台は、現在の4代目駅舎にも引き継がれています。
観光土産として販売されていた古絵葉書より、今号掲載の小説の舞台でもある「虎渓橋(こけいばし)」。奥に見えるのは旅館「橋本屋」で、「星の湯」と呼ばれる内湯があり、菓子製造も兼ねていたとのこと。跡地は現在公園となっている。