このコーナーでは、修善寺に住む人や、修善寺に関わりのある人々による書籍紹介を掲載していきます。身近な人々がどんな本を読んで、何を思い、感じているのか、少しのぞいてみましょう。
『自殺の思想史』
ジェニファー・マイケル・ヘクト
月沢 李歌子(翻訳)
(みすず書房)
“自殺”というものが古代から現代にいたるまでどのように扱われ、どのように問われてきたのか。神話や宗教、文学、哲学、社会科学の知見を横断的に整理している書籍。「生きるべきか死ぬべきか」なんていう単純すぎる問いに、すぐに答えを出そうとしなくていい。どんなイデオロギーに立とうと納得のいく答えなんて見出せやしない。答えを探すよりも、問いを探し続ける方が”生きている”気がしないだろうか。そう問う書籍。
紹介者:いいじま、
地域おこし協力隊として移住してきた、ラジオの人。なんでもやってみてる人。
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『トムとモモ』
みやこし あきこ (福音館書店)
とある町に引っ越してきたばかりのトムと近くに住むモモがともだちになるまでの物語。ひんやりとした冬の空気感とリスマスシーズンの高揚感が伝わってきます。
春号で紹介した『ぼくのたび』の作者の新作で、11月に個展へ足を運んだ際に手に入れました。広い世界で見知らぬ誰かと巡り合い、「ともだち」になっていく。新しい出会いへの憧れと、もう出会っているのかもしれないなという、あたたかな希望感がふんわりと残りました。
紹介者:勝野美葉子 修善寺燕舎の店主。生まれ育った修善寺地域の活性化を目指し、お土産物などの商品開発やイベントの企画運営など、様々な活動に取り組んでいる。
『お伽草子』
太宰 治 (新潮社)
太宰治が日本の昔話をユーモアや風刺を交えて再解釈した短編集。人間の弱さや滑稽さを温かく描き、現代にも通じる新しい視点を提供しています。シリアスな文章を書く作家のユーモアのある作品が大好きです。
小説『瀧下橋』は、お伽草子の短編集に収録されたある話に着想を得て書き下ろしました。小説のラストの「私はだれだ?」の答えを探しながら、お伽草子を読んでみてください。その答えは、お伽草子の中にあります。
紹介者:まくら文庫 修善寺温泉入り口の週末だけオープンするブックカフェ。小説、洋書を中心に蔵書。オリジナルの文庫やZINEを発行する創作活動も行っている。 - ☎ 090-3307-8232 OPEN 10:00-15:00(土・日営業) 修禅寺から徒歩10分 Instagram @makurabunko