このコーナーでは、修善寺に住む人や、修善寺に関わりのある人々による書籍紹介を掲載していきます。身近な人々がどんな本を読んで、何を思い、感じているのか、少しのぞいてみましょう。
『舞姫』
森 鴎外 (ちくま文庫)
ロマン主義の先駆的な小説といわれている短編小説。若きエリート官僚である主人公はある外国で踊り子の少女と恋仲になります。自由に彼女を愛したいと愛に溺れる一方、自身の保身のため、結局は彼女を捨て、日本へ帰ります。
小説「桂橋」は、10 年以上 前に「舞姫」というタイトルで 書いた超短編を舞台を修善寺に して書き直したものです。「踊 り子」という存在の美しさと儚 さを感じてもらえたらうれしい です。
紹介者:まくら文庫 修善寺温泉入り口の週末だけオープンするブックカフェ。小説、洋書を中心に蔵書。オリジナルの文庫やZINEを発行する創作活動も行っている。 - ☎ 090-3307-8232 OPEN 10:00-15:00(土・日営業) 修禅寺から徒歩10分 Instagram @makurabunko
『ライオンのおやつ』
小川 糸 (ポプラ社)
主人公の海野雫は、一人で瀬 戸内の島に渡り、人生最後の 日々を「ライオンの家」で過ご します。若くして余命宣告を受 けた雫や入居者に惜しみなく丁 寧な愛情が注がれるホスピスの 物語です。
装丁に惹かれて手に取りまし た。いつかこの世から旅立つ時 こんな豊かで穏やかな最期の時 間を過ごせる場所や人と出逢う ことが出来たら幸せです。私が 人生の最後に食べたい「おやつ」 に込めたい物語は何だろうかと 考えます。
紹介者:あなぐまさん
修善寺在住。針仕事と庭仕事、料理が好き。