このコーナーでは、超短編小説(140字以内)を掲載していきます。どのような視点でどんな物語が生まれるのかを楽しみにしています。れるのかを楽しみにしています。初回の今号では、「まくら文庫」に寄稿していただきました。 - 超短編小説とは… SNSから発祥した短い文章やストーリーを共有するスタイルの小説です。方丈海『#140字小説』や、原田たけし『三円小説』、氏田雄介『54字の物語』など、人気作品は書籍化もされています。
「おれ、参拝方法知らなくてさ、ググるからちょっと待って。」「いいよ、そんなの私も知らないし。」彼女は語気強めに言い放った。「なんだよそれ。」「形式はいいのよ、仏様に念ずる気持ちが大事なの。」そうして賽銭箱の前で、彼女は静かに踊り始めた。一瞬戸惑ったが、なぜかおれは少し気が楽になった。
コジロー
「ねぇあの二人、全然お話ししてなかったねぇ」手水鉢の湯にゆらゆらと浮かびながら、一枚のちいさな紅葉の葉が、龍に話しかけます。「きっとまだ恋人同士ではないのだよ。初々しいねぇ」そこへ、鶺鴒がやってきました。「違うよ。あれは喧嘩中さ。ほら、彼の左頬が紅葉みたいになっているだろう」
マチルダさん