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表紙のはなし:#05 2025年春号

今号の表紙のお花は、「クリスマスローズ」です。

クリスマスを冠しているものの、この品種が咲くのは3月になってからのこと。写真撮影も3月に入ってから行いました。

春先になってから咲くのに、なぜクリスマス?と、気になって調べてみました。

そもそもそ「クリスマスローズ」という名前は、原産地のヨーロッパなどでは、ヘレボルス属の原種「ニゲル(h.niger)」のみを指します。

ニゲルは、花の少ない12月末頃、ちょうどクリスマスの時期に白い花を咲かせることから「クリスマスの頃に咲くバラに似た花*」という意味で、「クリスマスローズ」と呼ばれてきました。*しかし、バラ科ではなく、キンポウゲ科

一方日本では、原種・交配種を問わず、ヘレボルス属全体を一括りで「クリスマスローズ」と呼んでいます。

日本での市場流通が多いのは、オリエンタリス系ハイブリッドとも呼ばれているものです。これらは、4月・キリスト教の四句節(レンテン節)の頃に花を咲かせるため、ヨーロッパなどでは「レンテンローズ」、または、それぞれの種名・品種名で呼ばれています。

日本に入ってきたのは明治初期のことで。薬草として輸入されました。和名を原種は「初雪おこし」、レンテンローズは「寒芍薬」といい、俯きに咲くその風情から、茶人たちにより茶席の際の茶花としても用いられてそうです。

知っているようで知らなかった、春に咲く「クリスマスローズ」のお話でした。

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修善寺温泉・住民発のローカル文芸マガジン『湯文好日』編集部です。様々な文芸作品を通じ、 季節や時代を超えて、 修善寺温泉を楽しんでいただけるようなコンテンツを発信しています。

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