展覧会を企画していると、鑑賞者に展覧会を読んでもらうことの難しさを、あらためて感じます。小説を読むことは多くの人にとって一般的ですが、展覧会を読むとは一体どういうことなのでしょうか。
小説は言葉でできていますが、美術の展覧会は多くの場合、非言語の作品で構成されています。そのため鑑賞者は、目の前のイメージを言葉に置き換えながら理解を進めていくことになります。しかし、イメージを言葉に直す行為にはある程度の慣れが必要です。その難しさが、美術は考えるものではなく「感じるものだ」というイメージにつながってきたのかもしれません。
実際の展覧会には、作品の順序や配置によって組み立てられた構造があります。そうした構造に目を向けていくと、点として見えていた作品郡が、線としてつながってくる瞬間があります。
もちろん、展覧会は順路通りに見なくても、気になった作品だけを見ても楽しむことができます。その自由さも前提にした上で、展覧会を読むことの楽しさを伝えるにはどうしたら良いかということを意識しながら、日々展覧会について考えています。
